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遁世雑記其ノ十八 「耳鼻科通院記3 薬漬け医療を垣間見た」

(前回のあらすじ)

耳の病気になってしまったので大型病院に行ったところ担当が美人の女医で目を輝かせているうちに鼓膜に穴を開けるとかいう意味不明な治療を施されることになったし、その頃我が家では寺山修司をデフォルメしたような親戚のおっさんが祖父の命日でやって来て豪快に煎餅食ってたら奥歯が抜けた。



 * * *



鼓膜に穴を開けるためにロビーで待たされる俺。
この時は不安さえあったものの、現代医療は進んでるし麻酔もするだろうし、そんな痛くないだろーふっははーと余裕をかましており、まぁ後々この待ち時間を使って解脱でもしてりゃ良かったと後悔することになるんですけど、そんなこんなで名前を呼ばれて診察室へ。

用意される器具がパワーアップしており、独特の緊張感。
「まずは洗浄しますね」
耳に妙な器具が突っ込まれ、ブッシャーと水が噴射される。(脳内ではどこの馬の骨とも知れないうんこみたいなおっさんが「あばばばばー」と奇声を発している)

そこからの記憶が少し飛んでるんですけど、歯医者で用いられるキュイーンみたいなやつを耳に突っ込まれ、ウゴゴゴゴ、キッシャーーーー、クゴッゴッゴッとエイリアンVSプレデターみたいな擬音が脳内に響き渡る。
この時点でかなり痛く、特に神経が集中してるあたりなので目も回ってくる。

「では、痛み止めを打ちますね。痛み止めが痛いですよー」
先生それは笑うとこですかと突っ込みたかったものの、完全に目が笑ってないので「ふぁ、ふぁぁ」と謎の返事。

痛み止めを打たれた瞬間の激痛たるや筆舌に尽くし難く、アニメとかでぶん殴られたキャラの目が×になって星とヒヨコがピヨピヨと頭上で回ってる図が脳内で映し出され、ハンカチ咥えてりゃ良かったと思うほど歯を食いしばり、手は小刻みに震え、顔は紅潮し、クハァと声が漏れ、やがて世界は滅びたのであった。

「終わりました。……大丈夫ですか?」

意識が戻った頃には俺はゲラゲラと笑っており、「結構、これは、痛いっすね、くぽぽぽ」町田康の小説に出てくる奇人みたいなよく分からん返事。
想像以上に痛かった混乱と、顔の筋肉という筋肉全て緩んでめちゃくちゃなアヘ顔を晒したショックで、気付いたら治療も終わって変な液体薬を入れられ、その後の措置など分かりやすい説明をされました。

「この部分に穴を開けて、膿を吸い出しました。後は鼓膜の穴が塞がるかどうかですが、成人男性には個人差があります。幼児はすぐ塞がりますし、高齢の方はなかなか塞がりません。塞がらなかった場合は常に耳に違和感が残ってしまうことになるので、半年後か1年後に手術を行うことになります。で、前の病院で出されたステロイドに加え、強めの抗生剤を用いて一気に治すので、3日から長くて1週間は通院治療をしてもらいます。予定とかは大丈夫ですか?」

その時俺はどうしておにぎりはあんなに美味しいんだろうとか考えてたのであんまり話は理解できなかったんですけど、とりあえず深刻な面持ちでうんうん頷いてました。

で、今日出される薬の説明。横文字が多かったので殆ど聞いておらず、耳のことだけではなくその他人生の色々が一気に押し寄せてきて物凄い暗い表情に。
再びロビーで待つように指示され、重い足取りで帰る俺。待合に座ってる人たちの視線が痛かったです。

「まぁ、見てあの子。まだ若いのに、あんなに暗い顔して」
「本当だわ。ものすごく老けてる。負のオーラが半端じゃないわ」
「ねぇねぇ、見てママ、あの人絶対syrup16gとか好きな人だよ

切開後、液体薬を注入されて綿を詰められていたため、完全に左耳しか聞こえない状態で待つこと40分。
名前を呼ばれる頃には、一周回ってハイになってたので、割と軽い足取りで目を大きく見開いてにこやかに手続きを済ませました。
あんまりニコニコしすぎて精神科に回されたら困るので、顔をマスクで隠して書類を書き、料金支払いの説明を受けて解放。

自動精算機での支払いになるので、カードを入れて待つこと数分。
ぼーっとしてたら液晶に金額が表示されました。
「10,900円」





1 0 , 9 0 0 円







く、くそが……
教育委員会のゴミめ……(※違います)



色んな意味で絶望しつつ薬局へ。
薬局のおばさんが驚くほど丁寧で、入った途端駆け足で寄ってきて、処方箋を奪い取って待合席まで案内してくれました。
待つこと10分、さっきの人とは別のおばさんが、箱にどっさり入った薬を持って登場。
え? 何それは? 引出物のあられ詰め合わせ?

あまりにたくさん放り込まれた薬の束に、薬剤師のおばさんも思わず「いっぱい出ましたね~」下ネタ以外の何物でもない発言をしてくれました。
「これがステロイド、これが抗生剤、これが粘膜を云々、これが染色体云々、ヒスタミン、メチコバール、コリン……」
「1回何錠飲むんですか?」
「朝は10錠ですね」






1 0 錠






副作用で性欲なくなるわーとか冗談で云ってたらその日の夜絶倫だったという面白い話は置いておきまして、
全部合わせて150錠くらいの薬を持たされて帰宅しました。

ヘッドホンもカラオケもシャワーも激しい運動も禁止されて、
できることといえば扇風機の掃除くらいしかないので(※そんなことないです)
扇風機をめっちゃ綺麗にした10月の初旬でございます。

これから毎朝9時に、点滴のための通院治療。
果たして俺の右耳はどうなってしまうのでしょうか。



次回、耳鼻科通院記最終回
隣のおっさんのギャグがナースにスルーされててすごく切ない
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プロフィール

寂々兵

Author:寂々兵
東京の映画祭や名画座に日々指を咥えている田舎在住の一介の映画好き。フリーの事務屋とは名ばかりのふらついた生活を送っています。

好きな監督は
ジャン=ピエール・メルヴィル
ロバート・アルドリッチ
クロード・シャブロル
アレックス・デ・ラ・イグレシア
フリッツ・ラング
岡本喜八
野村芳太郎
など。

最近は専らゼロ年代の北欧ミステリ、海外アニメーション、80年代前後の未DVD化作品の大海をさすらってます。

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