自主映画作家・共田成明氏の不穏な中短編2作の紹介

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何だか大仰なタイトルだが別に新進気鋭の自主映画作家を発掘したから見てくれ!といった類の記事ではなく、共田氏はリアルで映画を語れる数少ない友人の一人で、そんな彼が自主映画を製作してネット上に公開したということなので、このたび広報部長を任された。


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共田氏との出会いは某映画祭でのスタッフ会議に遡る。自分と年代が近いであろう彼に映画の話を振ってみると「ビクトル・エリセとかが好きだね」(かなりうろ覚え)みたいなことを言っており、うわあ詳しそうな人だ、嬉しいなあと思って「自分はメルヴィルが好きです!」といったところなぜか反応芳しくなく、後に聞いたところでは何を勘違いしたのか「ジョルジュ・メリエスが好きだなんて変なヤツだなあ」と思われていたらしいのだがそれはまあさて置き、家が割と近所ということもあって送ってもらえる流れとなり、車内では映画の話で盛り上がった。ちなみに年は10個も離れていた。

そんな彼が姫路で自主映画の製作に着手したのが2015年のことで、1作目はあっという間に完成した。



※描写にご注意ください


天の啓示を受けた青年が母親を生き返らせるべく、誕生日に13人を殺害する……というのっけから穏やかではないこの短編『K氏』に明確な筋はなく、青年が人々を無差別に殺害していく様子を断片的に映した記録映像のような作り。台詞も極力排除されており、共田氏が好きな90年代のアジア映画の静謐さを彷彿とさせる…と適当なことを言ってみる。その中でも際立ってやかましい「魚の名前を知らないヤツ」の話でたいそう盛り上がるバカップルの撮影シーンに立ち会ったのだが、とても楽しかった(人手不足で照明を持ったりした)。〆は無音エンドロールなのだが、途中でカラスの鳴き声が入り、うおお不穏だ!と興奮していたらそれはただ庭でカラスが鳴いてただけだった。共田監督、ロールにカラスの鳴き声入れるのオススメです。





※描写にご注意ください


『K氏』に納得のいかない様子だった共田氏が1年後に取り組んだのが『さちこ、あるいは、えみの夏休み』。家の物置の悪臭、父親の手術、近隣で発生した殺人事件といった要因に妙な不安を覚える女子高生えみが過ごす夏休みの数日間を描くこの不穏な30分強の中編は、実際に共田氏の実家の物置から原因不明の悪臭が発生したことにインスパイアを受けたらしい。『K氏』よりもホラー色が強くセンシティブで、視覚的な恐怖と精神的な恐怖が混在しており、それらの記憶が濁流の如くフラッシュバックするラストは自主映画ならではの色んな実験要素がぶち込まれていてとても良かった。というか、自主映画というものをあまり見る機会のない俺が言うのもあれなんだが、かなり傑作ちゃいます?ただまあ、もしもふらっと立ち寄った映画祭で俺がこの映画を観ていたとしたら、これを作った監督と友達になりたいとはまず思わないだろう。演技初体験の女の子に何させてんねん。


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というわけで、共田氏の監督作2作をご紹介。
次回作については色々と考えておられるようだが、会って話すたびに構想が変わっているので、何か進捗があればその都度ここに追記していきたいと思います。
共田監督、次回は俺が大塚寧々と内田有紀に翻弄されるラブコメを撮ってください。






当映像における著作権その他の権利は共田氏及びealry lateに帰属します。
映像公開の是非等に関する連絡は共田氏までお願いします。

earlylate00#gmail.com

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プロフィール

寂々兵

Author:寂々兵
都会の映画祭や名画座に指を咥えながら日々を過ごす田舎在住の一介の映画好き。最近は80年代前後の未DVD化作品の発掘に邁進中。将来の目標はヒモ。

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