2016年に鑑賞した旧作映画ベスト50+α

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2016年に鑑賞した初見の旧作長編映画388本の中の個人的なベスト50+αです。1監督1本制限は無し、またここでの旧作の基準は洋画=2014年以前に製作国で、邦画=2015年以前に日で公開されたものとしています。




長編ベスト50


50.『儀式』 大島渚(1977/日)

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49.『仇討』 今井正(1964/日)

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48.『蛇の卵』 イングマール・ベルイマン(1977/米、西独)

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47.『人間蒸発』 今村昌平(1967/日)

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46.『ギャング』 ジャン=ピエール・メルヴィル(1966/仏)

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45.『死闘の伝説』 木下恵介(1963/日)

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44.『女医の記録』 清水宏(1941/日)

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43.『勝負師』 クロード・オータン=ララ(1958/仏、伊)

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42.『悪魔のような女』 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー(1955/仏)

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41.『シナのルーレット』 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(1976/仏、西独)

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40.『ドイツ零年』 ロベルト・ロッセリーニ(1948/伊)

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39.『探偵物語』 三池崇史(2007/日)

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38.『殺しのリハーサル』 デヴィッド・グリーン(1982/米)

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37.『鉄路の男』 アンジェイ・ムンク(1957/ポーランド)

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36.『獅子座』 エリック・ロメール(1959/仏)

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35.『アムステルダム無情』 ディック・マース(1988/オランダ)

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34.『ボー・ジェスト』 ウィリアム・A・ウェルマン(1939/米)

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33.『ビリディアナ』 ルイス・ブニュエル(1960/スペイン)

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32.『男の争い』 ジュールズ・ダッシン(1955/仏)

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31.『ミュンヘン』 スティーヴン・スピルバーグ(2005/米)

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30.『東京幻夢』 実相寺昭雄(1986/日)

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※短編にも関わらずなぜかこちらにランクインしてますが、まあそういうこともたまにはありますね。




29.『NOVO』 ジャン=ピエール・リモザン(2002/仏)

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28.『サムライ』 ジャン=ピエール・メルヴィル(1967/仏)

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27.『鬼の棲む館』 三隅研次(1966/日)

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26.『狙撃者』 エドワード・ドミトリク(1952/米)

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25.『自由への闘い』 ジャン・ルノワール(1943/米)

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24.『ストリート・オブ・ノー・リターン』 サミュエル・フラー(1989/仏、ポルトガル)

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23.『愛の亡霊』 大島渚(1978/日)

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22.『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』 マルコ・ベロッキオ(2009/伊)

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21.『厳重に監視された列車』 イジー・メンツェル(1966/チェコ)

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20.『異魚島』 キム・ギヨン(1977/韓)

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19.『グランド・ブダペスト・ホテル』 ウェス・アンダーソン(2014/英、独)

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18.『暴力団再武装』 佐藤純彌(1971/日)

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17.『最前線』 アンソニー・マン(1957/米)

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16.『カップルズ』 エドワード・ヤン(1996/台湾)

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15.『春夏秋冬そして春』 キム・ギドク(2003/韓、独)

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14.『ムーンライティング』 イエジー・スコリモフスキ(1982/英)

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13.『女は女である』 ジャン=リュック・ゴダール(1961/仏、伊)

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12.『按摩と女』 清水宏(1938/日)

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11.『殺人者はライフルを持っている!』 ピーター・ボグダノヴィッチ(1968/米)


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10.『下女』 キム・ギヨン(1960/韓)

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ブルジョワ家庭に雇われた下女が主人を誘惑する話で、噂に違わぬ怪作。60年代の韓国映画と言えばイ・マニの『魔の階段』があるが、あれよりもよっぽど魔の階段じゃないか?その階段でさながら蛇女にしか見えないイ・ウンシムがビヨーンと伸びた韓版Blu-rayのジャケットは至極不気味で、まあ映画内でも終盤の重要なシーンなんだが、一周まわって滑稽で笑ってしまった。アン・ソンギの勢いある階段落ちは必見。





9.『愛の犯罪者』 アルノー・ラリユー、ジャン=マリー・ラリユー(2013/スイス、仏)

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雪山の小屋で同居している妹との近親相姦的な妖しい関係を匂わせる夢遊病で好色漢の大学教授が、生徒に手を出したり、生徒の母親に手を出されたりしているうちに破滅していく……という何とも情報量の多いあらすじとは裏腹に、始終ミステリアスで静謐に流れる逸品。出てくる人間が総じて黒い心を持っているのに対し、大学の校舎や雪山の白が美しく、風景や建築の眼福映画でもある。趣は違うがこの人間と風景を色の対比で表している感じはチャン・イーバイ『好奇心は猫を殺す』(06)を彷彿とさせる。評価があまり高くないのは、90年代アメリカのエロス・サスペンスみたいなのを想像して鑑賞した人たちがズッコケたんだろうか?日本でソフト化されているラリユー兄弟の作品はこれだけなので、『描くべきか愛を交わすべきか』(05)、『パティーとの二十一夜』(15)なんかもソフト化してほしいなあ。






8.『三人の女』 ロバート・アルトマン(1977/米)

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シシー・スペイセク(キャリー)とシェリー・デュヴァル(シャイニングの嫁)という、夜道で出会ったらまず踵を返すようなつかみどころのない女二人のやり取りが凄いんだが、この絶妙な心の機微であれこれ思い悩んだり人間関係が大きく変わったりする様子なんかは実は現代の日本人的なんじゃないか?と思ってしまった。二度と観たいと思わないが、ジャニス・ルールの絵だとか、仮宿での一幕、悪夢としか思えないリハビリセンターでの奇行など強烈に印象に残っている。ところで本作のキャッチコピー、「1人の女が2人に、2人の女が3人に、そして、3人の女が1人になった」怖い!






7.『気狂いピエロの決闘』 アレックス・デ・ラ・イグレシア(2010/スペイン、仏)

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カロリーナ・バング(死ぬほど美人)を巡ってピエロのオッサンと道化師のオッサンが闘いを繰り広げるだけの映画なんだが、神々しさすら感じた。一度目はまあ普通に面白かったが、後にイグレシア監督の作品を5本ほど見て、当人意外にとっては割とどうでもいい揉め事を壮大なスケールで描く天才なんだ!うわあバカだ!と気付いてから改めて再見したら凄すぎて打ちのめされた。言わずもがなスペインの歴史を寓話的に盛り込んでいるが、そんなところに注目している余裕がないほど矢継ぎ早に映し出される狂気に眩暈がする。





6.『夏の妹』 大島渚(1972/日)

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沖縄返還後、他の三流監督に先を越されたり、横槍が入る前にさっさとこの題材で撮ってしまおう!という大島のエモーショナルな美学が炸裂している一作で、とても良い。浜辺での観念的な会話が非常に鬱陶しいが、それを補って余りあるほど、冒頭のホテルで殿山泰司に絡まれるシーンやギター片手に夜の街を語らいながらふらつくシーンが眼福。戸浦六宏や佐藤慶もお馴染みだがカッコいい。今年は大島渚の映画を20本くらい観たが、これがベスト。画像はあえてりりィを選んだ。





5.『修羅』 松本俊夫(1971/日)

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御用金を騙し取られた塩冶浪士の復讐の話で、ヤバすぎる怪作。女の手に刀を握らせて赤子の顔を貫かせ、討った女の生首に独白をかまし、酒をぶっかける中村嘉葎雄も狂気も去ることながら、時代劇にも関わらず夢と現実と妄想が入り乱れたアバンギャルドぶりにも驚く。生き地獄!





4.『アートスクール・コンフィデンシャル』 テリー・ツワイゴフ(2006/米)

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芸術とは何ぞや?知らんわ!映画好きと芸術好きは似て非なるものなのだ。というのはさて置き、これは地方から出てきた童貞君が美大に溢れ返る自意識・承認欲求・ナルシズムの渦に飲まれながらも自身の考える芸術を追及する青春ロマンスミステリブラックコメディというこれまた情報量の多い映画で、何だか分からんのだがとにかく面白い。芸術に対する意識の矛盾とズレ、シニカルな諦観。ブシェミ、マルコビッチ、ブロードベントといった胡散臭そうな大人たちが続々と出てくるのも素晴らしい。






3.『石の微笑』 クロード・シャブロル(2004/独、仏)

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シャブロルはとても好きな作家で、どの年代においても高水準の作品を連発してるんだが、そんな中でも晩年の作品はどれも洗練が過ぎていて毎度衝撃を受ける。中でも本作はシャブロルのベストで、大体いつも女で痛い目にあっているブノワ・マジメルが案の定痛い目に合う映画なんだが、彼を破滅させるためだけに生まれてきたのでは?としか思えない相手役のローラ・スメットの石像をも凌ぐ石像女っぷりがとても恐ろしい。老練の男をも虜にする圧倒的なメンヘラのセックス・アピール。エロ怖いなあ。





2.『彼らについて』 ジェローム・ボネル(2014/仏)

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カップルの両方と浮気をしている女……という三角関係の話で、縁があって仕事で鑑賞したんだが、これにはたまげた!女って怖いねえ、と言いたくなるような紋切型の愛憎劇、ドロドロ、嫉妬、悶着、一切なし。いわゆるLGBT映画という括りになると思うが、変に説教めいたセリフを演者が言ったりすることなく、ただただ本人たちが楽しんでいるところや、バレるかどうかというスリルをコミカルに演出しようという潔さに痺れる。件の女性を演じたアナイス・ドゥムースティエは弁護士という超インテリでありながら、この恋愛劇に心酔しきっているというギャップもたまらない。他者の介入を許さないような瑞々しさもさることながら、夜のドライブ、夜の逢瀬、浜辺での大はしゃぎなど映画的な嬉しさも満載で、とにかくもう1回観たい!『アバンチュールのとき』(13)と併せてソフト化を切に願う。





1.『階段通りの人々』 マノエル・ド・オリヴェイラ(1994/仏、ポルトガル)

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階段通りの街リスボンの一角を舞台にした会話劇で、盲目の老人が持つ黒い箱に群がる人々が善と悪に転じる様、父を否定し続けた娘が思わぬ因果で再起を図る強かさ、淡々とグレードアップしていく豆売りのおばさん、騒動の渦中になぜかいつも居る米人、そして時間の経過を示すためいきなり現れたバレリーナに『時の踊り』を躍らせる脈絡のなさ、86歳の感性とは到底思えない。恥も外聞もないどす黒い会話の応酬にも関わらず、鑑賞後はハッピーな気分になり、そしてなぜか生きよう!とまで思わされてしまった恐るべき傑作。







おまけ:惜しくもベストから漏れた映画たち10本(年代順)

『セントルイス銀行強盗』 チャールズ・グッゲンハイム(1951/米)
『アリバイなき男』 フィル・カールソン(1952/米)
『激しい季節』 ヴァレリオ・ズルリーニ(1959/伊)
『誤発弾』 ユ・ヒョンモク(1961/韓)
『日本春歌考』 大島渚(1967/日)
『四季を売る男』 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(1971/西独)
『ミスター・グッドバーを探して』 リチャード・ブルックス(1977/米)
『引き裂かれた女』 クロード・シャブロル(2007/仏)
『女神は二度微笑む』 スジョイ・ゴーシュ(2012/インド)
『名探偵ゴッド・アイ』 ジョニー・トー(2013/中)


おまけ2:2016年初見の良かった中短編(年代順)

『カメラマンの復讐』 ヴワディスワフ・スタレーヴィチ(1912/ソ連)
『獣の血』 ジョルジュ・フランジュ(1949/仏)
『白い少女』 ジョルジュ・フランジュ(1958/仏)
『指望』 エドワード・ヤン(1982/台湾)
『ざくろ屋敷 バルザック「人間喜劇」より』 深田晃司(2007/日)


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プロフィール

寂々兵

Author:寂々兵
都会の映画祭や名画座に指を咥えながら日々を過ごす田舎在住の一介の映画好き。奇怪、不穏、不条理といったテーマの映画に惹かれますがフランスのラブコメも好きです。最近は80年代前後の未DVD化作品の発掘に邁進中。たまにライターなど。将来の目標はヒモ。

*好きな監督*
ジャン=ピエール・メルヴィル
キム・ギヨン
クロード・シャブロル
エドワード・ヤン
アレックス・デ・ラ・イグレシア
岡本喜八


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