2016年に鑑賞した旧作映画ベスト50+中短編ベスト5

Egyptian_Theatre_at_night_(Sundance_Film_Festival_2007).jpg

2016年に鑑賞した初見の旧作長編映画388本の中の個人的なベスト50と、初見の中短編映画16本の中の個人的なベスト5です。
映画に順位を付けるのは好ましいことではありませんが、あくまで年の瀬のお遊びと個人の記録目的のため、ご了承願います。

・1監督1本制限はありません。
・短編はあまり見る機会がないので長編以上に偏っています。
・ここでの旧作の基準は、洋画=2014年以前に本国で、邦画=2015年以前に日本で公開されたものです。





中短編ベスト5



5.『ざくろ屋敷 バルザック『人間喜劇』より』 深田晃司/2007/日本  

t2016-5.jpg




4.『白い少女』 LA PREMIERE NUIT
  ジョルジュ・フランジュ/1958/フランス

t2016-4.jpg




3.『指望』 指望
  エドワード・ヤン/1982/台湾

t2016-3.jpg




2.『カメラマンの復讐』 MEST KINEMATOGRAFICHESKOGO OPERATORA
  ヴワディスワフ・スタレーヴィチ/1912/ソ連

t2016-2.jpg




1.『その夜の妻』 小津安二郎/1930/日本

t2016-1.jpg





長編ベスト50


50.『儀式』 大島渚/1971/日本

50.jpg




49.『仇討』 今井正/1964/日本

49.jpg




48.『蛇の卵』 THE SERPENT'S EGG
   イングマール・ベルイマン/1977/アメリカ、西ドイツ

48.jpg




47.『人間蒸発』 今村昌平/1967/日本

47.jpg




46.『ギャング』 LE DEUXIEME SOUFFLE
   ジャン=ピエール・メルヴィル/1966/フランス

46.jpg




45.『死闘の伝説』 木下恵介/1963/日本

45.jpg




44.『女医の記録』 清水宏/1941/日本

44.jpg




43.『勝負師』 LE JOUEUR
   クロード・オータン=ララ/1958/フランス、イタリア

43.jpg




42.『悪魔のような女』 LES DIABOLIQUES
   アンリ=ジョルジュ・クルーゾー/1955/フランス

42.jpg




41.『シナのルーレット』 CHINESISCHES ROULETTE
   ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/1976/フランス、西ドイツ

41.png




40.『ドイツ零年』 GERMANIA ANNO ZERO
   ロベルト・ロッセリーニ/1948/イタリア

40.png




39.『探偵物語』 三池崇史/2007/日本

39.jpg




38.『殺しのリハーサル』 REHEARSAL FOR MURDER
   デヴィッド・グリーン/1982/アメリカ

38.jpg




37.『鉄路の男』 CZLOWIEK NA TORZE
   アンジェイ・ムンク/1957/ポーランド

37.jpg




36.『獅子座』 LE SIGNE DU LION
   エリック・ロメール/1959/フランス

36.jpg




35.『アムステルダム無情』 AMSTERDAMNED
   ディック・マース/1988/オランダ

35.jpg




34.『ボー・ジェスト』 BEAU GESTE
   ウィリアム・A・ウェルマン/1939/アメリカ

34.jpg




33.『ビリディアナ』 VIRIDIANA
   ルイス・ブニュエル/1960/スペイン

33.jpg




32.『男の争い』 DU RIFIFI CHEZ LES HOMMES
   ジュールズ・ダッシン/1955/フランス

32.jpg




31.『ミュンヘン』 MUNICH
   スティーヴン・スピルバーグ/2005/アメリカ

31.jpg




30.『東京幻夢』 実相寺昭雄/1986/日本

30.jpg

※短編にも関わらずなぜかこちらにランクインしてますが、まあそういうこともたまにはありますね。




29.『NOVO』 NOVO
   ジャン=ピエール・リモザン/2002/フランス

29.jpg




28.『サムライ』 LE SAMOURAI
   ジャン=ピエール・メルヴィル/1967/フランス

28.jpg




27.『鬼の棲む館』 三隅研次/1966/日本

27.jpg




26.『狙撃者』 The Sniper
   エドワード・ドミトリク/1952/アメリカ

26.jpg




25.『自由への闘い』 THE LAND IS MINE
   ジャン・ルノワール/1943/アメリカ

25.jpg




24.『ストリート・オブ・ノー・リターン』 STREET OF NO RETURN
   サミュエル・フラー/1989/フランス、ポルトガル

24.jpg




23.『愛の亡霊』 大島渚/1978/日本

23.jpg




22.『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』 Vincere
   マルコ・ベロッキオ/2009/イタリア

22.jpg




21.『厳重に監視された列車』 OSTRE SLEDOVANE VLAKY
   イジー・メンツェル/1966/チェコ

21.jpg




20.『異魚島』 IODO
   キム・ギヨン/1977/韓国

20.jpg




19.『グランド・ブダペスト・ホテル』 The Grand Budapest Hotel
   ウェス・アンダーソン/2014/イギリス、ドイツ

19.jpg




18.『暴力団再武装』 佐藤純彌/1971/日本

18.jpg




17.『最前線』 MEN IN WAR
   アンソニー・マン/1957/アメリカ

17.jpg




16.『カップルズ』 麻將
   エドワード・ヤン/1996/台湾

16.jpg





15.『春夏秋冬そして春』 SPRING, SUMMER, FALL, WINTER... AND SPRING
   キム・ギドク/2003/韓国、ドイツ

14.png




14.『ムーンライティング』 Moonlighting
   イエジー・スコリモフスキ/1982/イギリス

13.jpg





13.『女は女である』 UNE FEMME EST UNE FEMME
    ジャン=リュック・ゴダール/1961/フランス、イタリア

9.png





12.『按摩と女』 清水宏/1938/日本

10.jpg





11.『殺人者はライフルを持っている!』 TARGETS
   ピーター・ボグダノヴィッチ/1968/アメリカ


11.jpg





10.『下女』 THE HOUSEMAID
   キム・ギヨン/1960/韓国

15.jpg



ブルジョワ家庭に雇われた下女が主人を誘惑する話で、噂に違わぬ怪作。60年代の韓国映画と言えばイ・マニの『魔の階段』があるが、あれよりもよっぽど魔の階段じゃないか?その階段でさながら蛇女にしか見えないイ・ウンシムがビヨーンと伸びた韓国版Blu-rayのジャケットは至極不気味で、まあ映画内でも終盤の重要なシーンなんだが、一周まわって滑稽で笑ってしまった。アン・ソンギの勢いある階段落ちは必見。





9.『愛の犯罪者』 L'AMOUR EST UN CRIME PARFAIT
  アルノー・ラリユー、ジャン=マリー・ラリユー/2013/スイス、フランス


12.jpg


雪山の小屋で同居している妹との近親相姦的な妖しい関係を匂わせる夢遊病で好色漢の大学教授が、生徒に手を出したり、生徒の母親に手を出されたりしているうちに破滅していく……という何とも情報量の多いあらすじとは裏腹に、始終ミステリアスで静謐に流れる逸品。出てくる人間が総じて黒い心を持っているのに対し、大学の校舎や雪山の白が美しく、風景や建築の眼福映画でもある。趣は違うがこの人間と風景を色の対比で表している感じはチャン・イーバイ『好奇心は猫を殺す』(06)を彷彿とさせる。評価があまり高くないのは、90年代アメリカのエロス・サスペンスみたいなのを想像して鑑賞した人たちがズッコケたから?日本でソフト化されているラリユー兄弟の作品はこれだけなので、『描くべきか愛を交わすべきか』(05)、『パティーとの二十一夜』(15)なんかもソフト化してほしいなあ。






8.『三人の女』 3 WOMEN
   ロバート・アルトマン/1977/アメリカ


7.png


シシー・スペイセク(キャリー)とシェリー・デュヴァル(シャイニングの嫁)という、夜道で出会ったらまず踵を返すようなつかみどころのない女二人のやり取りが凄いんだが、この絶妙な心の機微であれこれ思い悩んだり人間関係が大きく変わったりする様子なんかは実は現代の日本人的なんじゃないか?と思ってしまった。二度と観たいと思わないが、ジャニス・ルールの絵だとか、仮宿での一幕、悪夢としか思えないリハビリセンターでの奇行など強烈に残っている。ところで本作のキャッチコピー、「1人の女が2人に、2人の女が3人に、そして、3人の女が1人になった」怖い!






7.『気狂いピエロの決闘』 BALADA TRISTE DE TROMPETA
   アレックス・デ・ラ・イグレシア/2010/スペイン、フランス


5.jpg


カロリーナ・バング(死ぬほど美人)を巡ってピエロのオッサンと道化師のオッサンが闘いを繰り広げるだけの映画なんだが、神々しさすら感じた。一度目はまあ普通に面白かったが、後にイグレシア監督の作品を5本ほど見て、当人意外にとっては割とどうでもいい揉め事を壮大なスケールで描く天才なんだ!うわあバカだ!と気付いてから改めて再見したら凄すぎて打ちのめされた。言わずもがなスペインの歴史を寓話的に盛り込んでいるが、そんなところに注目している余裕がないほど矢継ぎ早に映し出される狂気に眩暈がする。





6.『夏の妹』 大島渚/1972/日本

6.jpg


沖縄返還後、他の三流監督に先を越されたり、横槍が入る前にさっさとこの題材で撮ってしまおう!という大島のエモーショナルな美学が炸裂している一作で、とても良い。浜辺での観念的な会話が非常に鬱陶しいが、それを補って余りあるほど、冒頭のホテルで殿山泰司に絡まれるシーンやギター片手に夜の街を語らいながらふらつくシーンが眼福。戸浦六宏や佐藤慶もお馴染みだがカッコいい。今年は大島渚の映画を20本くらい観たが、これがベスト。画像はあえてりりィを選んだ。





5.『修羅』 松本俊夫/1971/日本

4.jpg


御用金を騙し取られた塩冶浪士の復讐の話で、ヤバすぎる怪作。女の手に刀を握らせて赤子の顔を貫かせ、討った女の生首に独白をかまし、酒をぶっかける中村嘉葎雄も狂気も去ることながら、時代劇にも関わらず夢と現実と妄想が入り乱れたアバンギャルドぶりにも驚く。生き地獄!





4.『アートスクール・コンフィデンシャル』 ART SCHOOL CONFIDENTIAL
   テリー・ツワイゴフ/2006/アメリカ


8.jpg


芸術とは何ぞや?知らんわ!映画好きと芸術好きは似て非なるものなのだ。というのはさて置き、これは地方から出てきた童貞君が美大に溢れ返る自意識・承認欲求・ナルシズムの渦に飲まれながらも自身の考える芸術を追及する青春ロマンスミステリブラックコメディというこれまた情報量の多い映画で、何だか分からんのだがとにかく面白い。芸術に対する意識の矛盾とズレ、シニカルな諦観。ブシェミやマルコビッチといった胡散臭そうな大人たちも出ていてとても良い。






3.『石の微笑』 LA DEMOISELLE D'HONNEUR
   クロード・シャブロル/2004/ドイツ、フランス


3.jpg


シャブロルはとても好きな作家で、どの年代においても高水準の作品を連発してるんだが、そんな中でも晩年の作品はどれも洗練が過ぎていて衝撃を受ける。中でも本作はシャブロルのベストで、大体いつも女で痛い目にあっているブノワ・マジメルが案の定痛い目に合う映画なんだが、彼を破滅させるためだけに生まれてきたのでは?としか思えない相手役のローラ・スメットの石像をも凌ぐ石像女っぷりがとても恐ろしい。老練の男をも虜にする圧倒的なメンヘラのセックス・アピール。エロ怖いなあ。





2.『彼らについて』 A trois on y va
   ジェローム・ボネル/2014/フランス


2.jpg


カップルの両方と浮気をしている女……という三角関係の話で、縁があって仕事で鑑賞したんだが、これにはたまげた!女って怖いねえ、と言いたくなるような紋切型の愛憎劇、ドロドロ、嫉妬、悶着、一切なし。いわゆるLGBT映画という括りになると思うが、変に説教めいたセリフを演者が言ったりすることなく、ただただ本人たちが楽しんでいるところや、バレるかどうかというスリルをコミカルに演出しようという潔さに痺れる。件の女性を演じたアナイス・ドゥムースティエは弁護士という超インテリでありながら、この恋愛劇に心酔しきっているというギャップもたまらない。他者の介入を許さないような瑞々しさもさることながら、夜のドライブ、夜の逢瀬、浜辺での大はしゃぎなど映画的な嬉しさも満載で、とにかくもう1回観たい!『アバンチュールのとき』(13)と併せてソフト化を切に願う。





1.『階段通りの人々』 A CAIXA
   マノエル・ド・オリヴェイラ/1994/フランス、ポルトガル


1.jpg


階段通りの街リスボンの一角を舞台にした会話劇で、盲目の老人が持つ黒い箱に群がる人々が善と悪に転じる様、父を否定し続けた娘が思わぬ因果で再起を図る強かさ、淡々とグレードアップしていく豆売りのおばさん、騒動の渦中になぜかいつも居るアメリカ人、そして時間の経過を示すためいきなり現れたバレリーナに『時の踊り』を躍らせる脈絡のなさ、86歳の感性とは到底思えない。恥も外聞もないどす黒い会話の応酬にも関わらず、鑑賞後はハッピーな気分になり、そしてなぜか生きよう!とまで思わされてしまった恐るべき傑作。







おまけ:惜しくもベストから漏れた映画たち10本(年代順)

『セントルイス銀行強盗』 チャールズ・グッゲンハイム、ジョン・スティックス/1951/アメリカ
『アリバイなき男』 フィル・カールソン/1952/アメリカ
『激しい季節』 ヴァレリオ・ズルリーニ/1959/イタリア
『誤発弾』 ユ・ヒョンモク/1961/韓国
『日本春歌考』 大島渚/1967/日本
『四季を売る男』 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/1971/西ドイツ
『ミスター・グッドバーを探して』 リチャード・ブルックス/1977/アメリカ
『引き裂かれた女』 クロード・シャブロル/2007/フランス
『女神は二度微笑む』 スジョイ・ゴーシュ/2012/インド
『名探偵ゴッド・アイ』 ジョニー・トー/2013/中国


関連記事

スポンサード リンク







プロフィール

寂々兵

Author:寂々兵
都会の映画祭や名画座に指を咥えながら日々を過ごす、シネフィルでもマニアでもない田舎在住の一介の映画好き。たまにライターなど。ヒモになりたい。

好きな監督は
ジャン=ピエール・メルヴィル
クロード・シャブロル
エドワード・ヤン
アレックス・デ・ラ・イグレシア
岡本喜八
など。

最近は専らゼロ年代以降ヨーロッパの喜劇映画や80年代未ソフト化作品の大海をさすらっています。

Twitter
http://twitter.com/CinemaYouth3919

Filmarks
http://filmarks.com/users/Monteiro

カウンター

ブログ内検索

人気記事