のどかな『ステップフォード・ワイフ』 64点

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ステップフォード・ワイフ(/)

ステップフォードの住民がほんのりと狂っており、引っ越してきた人妻が原因究明に奔走する話。ところどころベルイマンっぽい。ブライアン・フォーブスの手堅く頭の良い(ダラダラした)作りに安心しつつも終盤の超展開に頭が冴える。ラストカットが超怖い。キャサリン・ロスは美人なんだろうけど、ダイアン・キートンっぽくて苦手な顔である。











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A trois on y va!『彼らについて』 94点

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彼らについて(ジェローム・ボネル/2014仏)

カップルの両方と浮気をしている女……という三角関係の話で、縁があって仕事で鑑賞したんだが、これにはたまげた!女って怖いねえ、と言いたくなるような紋切型の愛憎劇、ドロドロ、嫉妬、悶着、一切なし。いわゆるLGBT映画という括りになると思うが、変に説教めいたセリフを演者が言ったりすることなく、ただただ本人たちが楽しんでいるところや、バレるかどうかというスリルをコミカルに演出しようという潔さに痺れる。件の女性を演じたアナイス・ドゥムースティエは弁護士という超インテリでありながら、この恋愛劇に心酔しきっているというギャップもたまらない。他者の介入を許さないような瑞々しさもさることながら、夜のドライブ、夜の逢瀬、浜辺での大はしゃぎなど映画的な嬉しさも満載で、とにかくもう1回観たい!『アバンチュールのとき』(13)と併せてソフト化を切に願う。





(未ソフト化)





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生首奇譚『殺人蝶を追う女』 81点

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殺人蝶を追う女(キム・ギヨン/1978韓)

自殺願望のある大学生がピクニックで蝶を追いかけていたら見知らぬ女に毒入りジュースを飲まされて死にかけ、何度殺しても復活する押し売り老人は「意志が大事じゃ!」と喚いて灰になり、鍾乳洞で拾った骸骨はいきなり美女へと生まれ変わって「肝臓をよこせ」と迫ってくるもんだから自動生成の米菓子が舞う中でセックスする…というこの変な映画は『下女』のキム・ギヨンの傑作で、現在の尺度で言えばカルトじみているのだが、ある意味では監督の直情さが随所に垣間見えている青春映画ともとれる。「1日にどれだけメシを食っても腹が減るから死にたい」と嘆くブコウスキーみたいな青年が終盤サンドイッチにがっついてるシーンなんてなぜか感動的なのだ。あと相変わらず階段の使い方が巧妙で、教授の娘が階上からヌッと現れる演出は『下女』かと思った。とまあギヨン節炸裂なのだが、俺はどちらかと言えば『異魚島』の方が好きです。





(未ソフト化)






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ババア!そこどけ!『みんなのしあわせ』 78点

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みんなのしあわせ(アレックス・デ・ラ・イグレシア/2000西)

当人以外にとってはどうでもいい争いを無駄に壮大なスケールで魅せる天才イグレシア。これもたまたま大金を手にしてしまったオバサンが住民の妨害をかいくぐってマンションから脱出するだけの話なのだが、近所のオバサン同士の喧嘩をまるで世界を賭した頂上決戦のように演出するなど、余りにエモーショナル。頗る面白い。オタク趣味全開だがここまでやられると清々しい。イグレシアはタランティーノと似たタイプの映画オタクの匂いがする。











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オッサンは常に悩んでいる『エゴイスト』 67点

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エゴイスト(ジョージ・ヒッケンルーパー/2001米)

「大事なものは近くにありすぎて気付かない」というクソベタな教訓を、アンディ・ガルシアが1時間40分かけて色んなことをやりながらようやく認識する話。ミック・ジャガーがとてつもない胡散臭さを始終身にまとっているにも関わらず、結局のところ悩める普通のオッサンだったというのは面白すぎるから勘弁してほしい。オリヴィア・ウィリアムズ(33)の圧倒的な暇を持て余した人妻感、満点。人妻・オブ・ザ・イヤー。











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堕ちていく『ビリディアナ』 74点

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ビリディアナ(ルイス・ブニュエル/西)

敬虔な修道女が女たらし、ホームレス、障害者、キチガイなどに絡まれていくうちにみるみる堕ちていく映画。ブニュエルだし堅苦しい宗教映画かな?と思って臨むと泡を噴く。映画史に残る地獄の饗宴。











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ゴリラが見ていた『ジェーン・バーキン in ヴェルヴェットの森』 61点

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ジェーン・バーキン in ヴェルヴェットの森(アンソニー・M・ドーソン/1973西独伊仏)

古城、凶暴なオランウータン(ゴリラ)、不気味な猫、地下通路に蝙蝠、秘密を握っている婆さん、わけありなイケメンと「いかにも」なギミック(ほぼ意味のない)が揃ってる館ホラー。クローズド・サークルでもあるまいに、誰一人として連続殺人の起こっている館から逃げ出そうとしないことに対する理由付けをしない潔さ。全てを見透かしたような顔をしているわりに作中で特に何もやってない警部役にセルジュ・ゲンズブール。ジェーン・バーキンは美しいが、走り方が死ぬほどダサい。こういう身も蓋もないジャッロ、嫌いじゃない。











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革命とおっぱい『バーダー・マインホフ 理想の果てに』 62点

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バーダー・マインホフ 理想の果てに(ウーリー・エデル/2008独仏捷)

言うまでもなくドイツ版『実録連合赤軍』(若松)、イデオロギーの暴走。砂漠での軍事訓練中に「ドイツの仕事は銀行強盗などの都市ゲリラだから砂漠の演習なんて無意味だ!」とごねるシーンが笑える。ゼロ年代ドイツ映画のいたる所に現れるモーリッツ・ブライブトロイさん曰く"性の解放と革命は同義"らしいので、前半はおっぱいがバンバン登場する(というか全裸の幼女のカットから始まる。良いのかこれ)面白さはまあ普通。











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プロフィール

寂々兵

Author:寂々兵
都会の映画祭や名画座に指を咥えながら日々を過ごす田舎在住の一介の映画好き。奇怪、不穏、不条理といったテーマの映画に惹かれますがフランスのラブコメも好きです。最近は80年代前後の未DVD化作品の発掘に邁進中。たまにライターなど。将来の目標はヒモ。

*好きな監督*
ジャン=ピエール・メルヴィル
キム・ギヨン
クロード・シャブロル
エドワード・ヤン
アレックス・デ・ラ・イグレシア
岡本喜八


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