交錯と邂逅、落下『デ・ジャ・ヴュ』 92点

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デ・ジャ・ヴュ(ダニエル・シュミット/1987仏スイス)

革命家ゲオルグ・イェナチュ暗殺の謎に魅入られたジャーナリストが歴史と交錯する。山田正紀の『ミステリ・オペラ』でも似たような感覚に陥ったのだが、別々の何かがあらゆる境界を超えて邂逅する話は全部泣ける。それをワンカットでやってしまうのだから只者ではない。レナート・ベルタの不穏な映像の濁流に半ば昇天。ベルトルッチの『暗殺のオペラ』にはさすがに敵わないかなあと思っていたのだが、もう1回観たら易々と超えていきそう。ミステリ映画(「ミステリー」ではない)ベストの1本に加えたい超傑作。





(未ソフト化)
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エイリアン物にヒーローは不要『遊星からの物体X』 83点

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遊星からの物体X(ジョン・カーペンター/1982米)

エイリアンがフィーバーしてる時期に逆行してるのか追随してるのかよく分からんが、テレビでやってたので10年ぶりくらいに見た。相変わらず素晴らしすぎて首がもげた。あと顎も外れた。血液検査で被験者3人が椅子に縛られたまま発狂している→唖然としているカート・ラッセルの後ろをカニ歩きのクリーチャーがひっそり去って行くシーンなんか"喜劇と悲劇は紙一重"的でたまらん。えげつない余韻の引きずり方をするラストの不穏ぶりも大好き。モンスター物にリプリーなんか要らんかったんや。『ファースト・コンタクト』が作られたときはさすがに蛇足だろうと憤ったが、まあそれなりにうまく補完されていたしメアリーちゃんがアホほど可愛くてムチムチだったので許す。








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『アムステルダム無情』というほど詩情的でもない 74点

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アムステルダム無情(ディック・マース/1988オランダ)

惨殺された娼婦が橋の欄干に逆さ吊りにされ、翌朝運河を渡る客船の天井をズズズ…と沿って船の中に!ギャー!という期待しかできないスラッシャーから正統派の刑事物へ、ついでにアクション・コメディ・ロマンス要素も詰め込んだオランダ産スリラーで、かなり面白かった。劇中、一向に事件が解決できない警察に業を煮やした市長が「運河の殺人を新しいオランダの名物にする気か?」と皮肉を言うんだが、その言葉の通り10分近くに渡ってオランダの名所を紹介するかのように繰り広げられるボートチェイス、急発進で相棒の刑事がずっこけて海にはまるお約束付き。ディック・マースは間違いなく一般受けしない上に寡作だが、どれもマニアのツボを心得ていて信頼できる。





(未DVD化)


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語感が良い『湯殿山麓呪い村』 68点

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湯殿山麓呪い村(池田敏春/1984日)

角川による金田一エッセンスの田舎ホラーだが、探偵役(永島敏行)がキチガイすぎて、浮気はするわ、浮気相手の父親に金の無心するわ、恫喝するわでぶっ飛んでいる。オマケにろくな推理もしていないのに、犯人当てだけはしっかりやるなどデタラメすぎて笑う。ラストの唐突すぎる展開はまるでATG。仙道敦子だけがこの映画の癒しであった。仙道敦子ペロペロ。











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人肉と家族愛『地獄のモーテル』 61点

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地獄のモーテル(ケヴィン・コナー/1980米)

『悪魔のいけにえ』系譜の家族愛ホラー。ゾンビへのオマージュを生身の人間で捧げてしまう大胆さ。旦那を亡くしたばかりの美女が主役の人肉親父に惚れこんで結婚を申し込んだり、全然顔を隠す必要のないシーンであえて豚のマスクを被る説得力のなさが最高。終盤、"家畜"が既に逃げ出してしまっていることも知らず弟に託そうとする兄と、"家畜"を牛や豚のことだと思って引き受ける弟の"二重のズレ"が感動の兄弟愛溢れるシーンと化していることがクレイジーすぎて笑える。80年代、神聖なるキチガイ映画。












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プロフィール

寂々兵

Author:寂々兵
都会の映画祭や名画座に指を咥えながら日々を過ごす田舎在住の一介の映画好き。最近は80年代前後の未DVD化作品の発掘に邁進中。将来の目標はヒモ。

*好きな監督*
ジャン=ピエール・メルヴィル
キム・ギヨン
クロード・シャブロル
エドワード・ヤン
アレックス・デ・ラ・イグレシア
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